らんちゅうは江戸時代の末期から明治にかけて創られたと言われています。
長い歴史の中で、いくつもの系統に別れてきました。
協会系、宇野系と各地で品評会が開かれているものや、黒らんちゅう、青らんちゅう、茶らんちゅうと呼ばれるらんちゅうもいます。
当養魚場では、上記の協会系を自家繁殖しております。
この協会系のらんちゅうですが、単に飼育するだけでしたら、比較的簡単です。
適度な餌を与えて、良い水の状態であれば病気にはなりにくいです。
ところが、種魚の選定をして産卵させて飼育選別を繰り返して品評会用を創るとなると非常に難しくなるのも面白いところです。
数千匹、数万匹の稚魚から品評会用になる仔はほんの一握りです。
それが理由で値段もさまざまになります。
水槽、または池などの飼育容器に水を入れ中和剤を使いカルキを抜いてください。
地下水の場合はカルキを抜く必要はありません。
鑑賞目的であれば、濾過機や底砂はあっても良いかと思います。
ただし、流木などの突起のある物はケガの元なので避けたほうが良いですね。
さて、らんちゅうが届きましたら水温を合わせるために酸素の入った袋を開封せずに飼育容器に浮かべてください。
30分ほど浮かべていれば水温は合います。
その後は、洗面器などの容器に袋の水とらんちゅうを入れ、飼育容器に汲んである水を少量ずつ入れ新しい水に慣らしていきます。
袋の水の倍以上の新水を混ぜたら、飼育容器に移して行きましょう。
この時に、水合わせをした水は飼育容器に入れずに捨てることをお勧めします。
トラックで揺られながらお届けしますので、新しい環境に慣れるまでは給餌はしないほうが良いです。
目安としましては、お届けご2~3日経ってから給餌を行ってください。
(給餌の回数や水替えの頻度は飼育状況によって変わるのでここでは記載できませんがご質問いただければアドバイスができるかと思います。)
水槽、または池などの飼育容器に水を入れ中和剤を使いカルキを抜いてください。
地下水の場合はカルキを抜く必要はありません。
底砂や流木や水草を入れると、より観賞価値が上がるのではないでしょうか。
底砂は汚れ落とし、流木はアク抜いてから使用してください。
めだかが届きましたら水温を合わせるために酸素の入った袋を開封せずに飼育容器に浮かべてください。
30分ほど浮かべていれば水温は合います。
その後は、洗面器などの容器に袋の水とめだかを入れ、飼育容器に汲んである水を少量ずつ入れ新しい水に慣らしていきます。
袋の水の倍以上の新水を混ぜたら、飼育容器に移して行きましょう。
この時に、水合わせをした水は飼育容器に入れずに捨てることをお勧めします。
めだかも、らんちゅうと同様で、トラックで揺られながらお届けしますので、新しい環境に慣れるまで給餌は控えてください。
常温では水温が低く低活性です。
この時期は、水温が10℃以下の場合は給餌を控えましょう。
陽当りの良い場所で飼育していますと、冬でも青水は濃くなります。
濃くなりすぎると充血してしまったり、らんちゅうの状態が目視できないので割り水をして薄めたほうが良いです。
状態の良い薄い青水で飼育をして、時々らんちゅうを掬い腹部が充血していないかの確認をしてください。
地域差もありますが、3月になると暖かい日もあり、魚たちも水温の上昇で春を感じてきています。
青水も濃くなりやすいので早めの割り水、足し水で薄めながら産卵(仔引き)の準備をしていきましょう。
産卵に必要な水温になる4月は、常温飼育での産卵シーズンに入ります。
まだこの時期は水温が不安定なため、ヒーターを入れて人工的に水温を安定させると良いでしょう。
雌の腹部が柔らかくなり真ん中の筋が消えると産卵が近いです。
産卵前日は巣に潜ったり池の淵ばかりを泳いだりするのも産卵の兆候と言えます。
産卵に向けて仕上がった雄は早朝に雌を突いて産卵を促します。
無事に産卵が終わったら卵の付いた巣を別容器に入れて軽くエアレーションして20℃程の水温をキープできるようヒーターを使用するのをお勧めします。
雌も産卵後数時間は卵を零すので別容器に移して休ませます。
産卵が行われた容器の水は腐敗しやすいので、水替えが必要です。
稚魚には餌となるブラインシュリンプを与え、成長にともない水替えや選別を行います。
孵化後30日程で鱗も生えるため、稚魚の形も定まってくるでしょう。
産卵した親魚の個体差はありますが、産卵後もしっかりした給餌を行っていれば2週間以内で次の産卵があります。
梅雨時期に入ります。
水温が不安定になり、また雨が多く陽が当たらず、水を腐敗させやすい時期となります。
水温の急変は、鰓病や白点病、水カビになりやすいので水温安定のためヒーターを入れたほうが安心できます。
7月には各地で梅雨明けして水温もグングンと上昇します。
水温が上昇すれば、らんちゅう達も食欲が上がりどんどん成長していきます。
その分、水も痛みますので水替え頻度を上げていく必要があります。
追いつかないようであれば、容器を大きくするか容器を増やすかの工夫が必要になるでしょう。
8月になると夏本番です。
食欲も上がり成長も進むと思いきや、逆に水温が上昇しすぎて食欲が下がり、成長も遅くなってしまうこともあります。
極度の水温の上昇を防ぐために日差し除けや容器内の水量を増やすなどの工夫が成長に繋がります。
飼育水の痛みも早い時期です。早めの水替えや差し水が必要で、水替えの際の元水の割合も変えて対処していきましょう。
9月の上旬は8月同様に日差し除けも必要ですが、下旬にもなると涼しい日も出てきますので、日差しが弱い日は日差し除けを外して池に陽を入れてあげると水も安定します。
夜間が冷える予報が出ていたら夕方の給餌は控えたほうが良いでしょう。
10cm以上になった当歳魚は昼夜の水温差で産卵することもあります。
産卵に気付かずにいると産んだ卵を食べ消化不良を起こすかもしれませんので注意が必要です。
10月になると朝晩は寒いくらいの日も出てきます。
昼夜の気温の差も大きいと水温にも影響してきます。
梅雨時期同様で水温の急変による鰓病、白点病、水カビなどに注意が必要となります。
真夏より水温は徐々に下がってきますので給餌量も減らしていきましょう。
給餌量を減らすと飼育水の痛みも遅くなりますが、悪天候が続いたりした時は水質も急に悪くなることがあるので日々の観察が必要です。
11月になるとかなり冷え込む日もあれば、Tシャツで過ごせる日もあり、人間でも体調を崩しやすい時期です。
らんちゅう達も体調を崩しやすい時期が続いているので日々の観察は重要です。
来年の産卵を視野に入れているなら種魚の体調管理はきちんとしておかなければなりません。
種魚の選定をして、青水を作り産卵に備えて冬眠準備の時期です。
12月に入ると安定した低水温になるかと思います。
活性も下がり餌も食べなくなります。
そうなれば冬眠に入ります。
1月、2月の時期と同様に青水の濃さや充血していないか魚体をチェックしつつ、来年のシーズン到来を心待ちにしながら1年が終わります。
ここに記載したことがすべて正しいわけではありません。
正解も不正解もないのが、らんちゅう飼育だと私は思っています。
この飼育のポイントはひとつの考えとして読んでいただければ良いかと思います。
品評会で上位に入賞するらんちゅうが素晴らしいのは誰しも分かりますが、自分が気に入って飼育している仔も上位に入賞する仔と同じくらい素晴らしい仔のはずです。
2匹と同じ仔は居ない世界でたった1匹の仔を大切に愛情込めて育ててほしいと思います。
この時期は低水温期なので常温飼育の場合は濃くなった青水を薄めるくらいの飼育になります。
水量の少ない容器で飼育している場合は、暖かい日は水温も上がり、メダカ達も水表面に顔を出してくれることもあります。
暖かい日も徐々に増えメダカ達も顔を出してくれる日も増えてきます。
地域差もありますが、早い仔は産卵が始まります。
産卵が始まったばかりの頃は無精卵が多いように感じます。
卵をぶら下げている個体を見つけたら水草や人工産卵巣を入れましょう。
無精卵しかない場合は一度性別の確認が必要となります。
4月~5月になると産卵数も増えてきます。
雄雌がいるのに受精卵が無い。このような時は雄を入れ替えるのも良いでしょう。
巣はこまめにチェックして孵化水槽に移すタイミングを逃さないようにしないと親水槽で孵化して食べられてしまいます。
稚魚は生まれたらワムシ、ブラインシュリンプ、ミジンコ、粉餌などを与え飼育してください。
6月~7月は梅雨の時期ですので、産卵数も減り水の痛みも早くなりますので、水質のチェックを怠らないでください。
梅雨明けすると産卵数も徐々に増えてきます。
早い時期(3月~4月)に生まれた仔も産卵が始まるでしょう。
春先から産んでいる仔は産卵も止まります。
その代わり、春先に生まれた仔がバンバン産卵している時期です。
9月に産卵、孵化した仔は冬までに1cmほどに成長していないと冬越しが厳しい地域もありますので、頑張って成長させなければなりません。
水温が低くなると成長も遅くなりますので、ヒーターで加温するか室内への移動をすると良いと思います。
この頃になると自然産卵は止まってきます。
産卵させたい場合は加温して不足している日照時間は蛍光灯などで補いましょう。
普通に育成しているのであれば水温の急変に注意して青水を作り冬眠の準備に入ります。
11月に入ると、水温も低下して徐々に活性も下がります。
1cm以内の稚魚は引き続き成長させる飼育を行い、1cm以上に育った仔は徐々に常温の水温に慣らしていかなければなりません。
加温したまま育成させるなら問題ないですが、常温の水温に合わせることを失敗すると、せっかく育てた仔達を落としてしまいますので、注意が必要です。
11月も下旬になると冬眠状態に入ってきます。
保温性の高い発砲箱や水量の多く入る容器での冬眠をお勧めします。
また、青水にも保温性はあるので青水飼育もお勧めです。
青水も生きていますので、蓋をして暗くしてしまう日が続くと水が澄んでしますので暖かい日は蓋を外して陽を当てると良いです。
らんちゅうと同様で、飼育に正解も不正解もないと私は思います。
冬は冬眠させて春を待つのも良いですし、冬は室内の水槽で横見を楽しむのも良いですね。
メダカほど多品種な観賞魚はないと思いますので、是非ともお気に入りのメダカで癒されていただきたいと思います。